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地方自治法

地方自治法 第242条の2 (住民訴訟)

条文

第242条の2(住民訴訟)

第1項

普通地方公共団体の住民は、前条第一項の規定による請求をした場合において、同条第五項の規定による監査委員の監査の結果若しくは勧告若しくは同条第九項の規定による普通地方公共団体の議会、長その他の執行機関若しくは職員の措置に不服があるとき、又は監査委員が同条第五項の規定による監査若しくは勧告を同条第六項の期間内に行わないとき、若しくは議会、長その他の執行機関若しくは職員が同条第九項の規定による措置を講じないときは、裁判所に対し、同条第一項の請求に係る違法な行為又は怠る事実につき、訴えをもつて次に掲げる請求をすることができる。
  1. 一
    当該執行機関又は職員に対する当該行為の全部又は一部の差止めの請求
  2. 二
    行政処分たる当該行為の取消し又は無効確認の請求
  3. 三
    当該執行機関又は職員に対する当該怠る事実の違法確認の請求
  4. 四
    当該職員又は当該行為若しくは怠る事実に係る相手方に損害賠償又は不当利得返還の請求をすることを当該普通地方公共団体の執行機関又は職員に対して求める請求。ただし、当該職員又は当該行為若しくは怠る事実に係る相手方が第二百四十三条の二の九第三項の規定による賠償の命令の対象となる者である場合には、当該賠償の命令をすることを求める請求

ざっくり口語訳(by ジチテン編集部)(第1項)

都道府県や市町村の住民は、第242条第1項の請求をした後、監査の結果などに不服があれば、裁判所に訴えて差止めなどを請求できます。(ただし、例外があります。)

都道府県や市町村の住民は、第242条第1項の請求をした場合で、監査委員の監査の結果や勧告(第242条第5項)か、議会、知事や市町村長その他の執行機関や職員の措置(第242条第9項)に不服があるとき、または監査委員が監査や勧告(第242条第5項)を第242条第6項の期間内に行わないときや、議会、知事や市町村長その他の執行機関や職員が措置(第242条第9項)を講じないときは、第242条第1項の請求の対象となった違法な行為や怠る事実について、裁判所に訴えを起こして、次の請求をすることができます。

  • その行為をする執行機関や職員に対する、その行為の全部か一部の差止めの請求(第1号)

  • 行政処分であるその行為の取消しか無効確認の請求(第2号)

  • その事実を怠る執行機関や職員に対する、その怠る事実の違法確認の請求(第3号)

  • その職員か、その行為や怠る事実の相手方に、損害賠償か不当利得返還の請求をすることを、その都道府県や市町村の執行機関や職員に求める請求(第4号。その職員や相手方が第243条の2の9第3項の賠償の命令の対象となる人のときは、次のただし書きのとおりです)

  • ただし、その職員か、その行為や怠る事実の相手方が、第243条の2の9第3項による賠償の命令の対象となる人であるときは、第4号の請求は、損害賠償や不当利得返還の請求をするよう求める請求ではなく、その賠償の命令をすることを求める請求(第4号ただし書き)

第2項

前項の規定による訴訟は、次の各号に掲げる場合の区分に応じ、当該各号に定める期間内に提起しなければならない。
  1. 一
    監査委員の監査の結果又は勧告に不服がある場合
    当該監査の結果又は当該勧告の内容の通知があつた日から三十日以内
  2. 二
    監査委員の勧告を受けた議会、長その他の執行機関又は職員の措置に不服がある場合
    当該措置に係る監査委員の通知があつた日から三十日以内
  3. 三
    監査委員が請求をした日から六十日を経過しても監査又は勧告を行わない場合
    当該六十日を経過した日から三十日以内
  4. 四
    監査委員の勧告を受けた議会、長その他の執行機関又は職員が措置を講じない場合
    当該勧告に示された期間を経過した日から三十日以内

ざっくり口語訳(by ジチテン編集部)(第2項)

住民が裁判所に起こす訴訟(第1項)は、場合ごとに決められた30日以内の期間に起こさなければなりません。

住民が裁判所に起こす訴訟(第1項)は、次の場合に応じて、それぞれ次の期間内に起こさなければなりません。

  • 監査委員の監査の結果か勧告に不服がある場合:その監査の結果か勧告の内容の通知があった日から30日以内

  • 監査委員の勧告を受けた議会や、知事・市町村長などの執行機関、職員の措置に不服がある場合:その措置についての監査委員の通知があった日から30日以内

  • 監査委員が、請求をした日から60日たっても監査や勧告を行わない場合:その60日を過ぎた日から30日以内

  • 監査委員の勧告を受けた議会や、知事・市町村長などの執行機関、職員が措置をとらない場合:その勧告で示された期間を過ぎた日から30日以内

第3項

前項の期間は、不変期間とする。

ざっくり口語訳(by ジチテン編集部)(第3項)

住民が裁判所に起こす訴訟(第1項)を起こす期間(第2項)は、不変期間となります。

第4項

第一項の規定による訴訟が係属しているときは、当該普通地方公共団体の他の住民は、別訴をもつて同一の請求をすることができない。

ざっくり口語訳(by ジチテン編集部)(第4項)

住民が裁判所に起こす訴訟(第1項)が裁判所で続いているときは、その都道府県や市町村のほかの住民は、別の訴訟で同じ請求をすることはできません。

第5項

第一項の規定による訴訟は、当該普通地方公共団体の事務所の所在地を管轄する地方裁判所の管轄に専属する。

ざっくり口語訳(by ジチテン編集部)(第5項)

住民が裁判所に起こす訴訟(第1項)は、その都道府県や市町村の事務所の所在地を受け持つ地方裁判所だけの管轄となります。

第6項

第一項第一号の規定による請求に基づく差止めは、当該行為を差し止めることによつて人の生命又は身体に対する重大な危害の発生の防止その他公共の福祉を著しく阻害するおそれがあるときは、することができない。

ざっくり口語訳(by ジチテン編集部)(第6項)

違法な行為の差止めを求める請求(第1項第1号)による差止めは、公共の福祉を著しく妨げるおそれがあるときはできません。

  • 執行機関や職員に対して違法な行為の全部か一部の差止めを求める請求(第1項第1号)に基づく差止めは、その行為を差し止めることで、人の生命や身体への重大な危害の発生を防ぐことなどの公共の福祉を著しく妨げるおそれがあるときは、できません。

第7項

第一項第四号の規定による訴訟が提起された場合には、当該職員又は当該行為若しくは怠る事実の相手方に対して、当該普通地方公共団体の執行機関又は職員は、遅滞なく、その訴訟の告知をしなければならない。

ざっくり口語訳(by ジチテン編集部)(第7項)

損害賠償の請求や賠償の命令を求める訴訟(第1項第4号)が起こされたら、執行機関や職員は、対象の職員や相手方に、遅れずに訴訟の告知をしなければなりません。

  • 職員か、違法な行為や怠る事実の相手方に、損害賠償か不当利得返還の請求をすること(その職員や相手方が第243条の2の8第3項の賠償の命令の対象となる者なら、賠償の命令をすること)を、都道府県や市町村の執行機関か職員に求める訴訟(第1項第4号)が起こされたときは、その執行機関か職員は、その職員か、行為や怠る事実の相手方に対して、遅れることなく訴訟の告知をしなければなりません。

第8項

前項の訴訟告知があつたときは、第一項第四号の規定による訴訟が終了した日から六月を経過するまでの間は、当該訴訟に係る損害賠償又は不当利得返還の請求権の時効は、完成しない。

ざっくり口語訳(by ジチテン編集部)(第8項)

訴訟の告知(第7項)があると、その訴訟にかかわる損害賠償か不当利得返還の請求権の時効は、訴訟が終わってから6か月たつまで完成しないこととなります。

  • 職員や、行為・怠る事実の相手方への訴訟の告知(第7項)があったときは、第1項第4号の訴訟(損害賠償や不当利得返還の請求をすること、または賠償の命令をすることを求める訴訟)が終わった日から6か月たつまでの間は、その訴訟にかかわる損害賠償か不当利得返還の請求権の時効は、完成しないこととなります。

第9項

民法第百五十三条第二項の規定は、前項の規定による時効の完成猶予について準用する。

ざっくり口語訳(by ジチテン編集部)(第9項)

訴訟の告知による時効の完成猶予(第8項)にも、民法第153条第2項の規定をあてはめます。

第10項

第一項に規定する違法な行為又は怠る事実については、民事保全法(平成元年法律第九十一号)に規定する仮処分をすることができない。

ざっくり口語訳(by ジチテン編集部)(第10項)

第1項の訴えの対象となる違法な行為や怠る事実については、民事保全法(平成元年法律第91号)の仮処分はできません。

第11項

第二項から前項までに定めるもののほか、第一項の規定による訴訟については、行政事件訴訟法第四十三条の規定の適用があるものとする。

ざっくり口語訳(by ジチテン編集部)(第11項)

第1項の訴訟には、第2項〜第10項に定めることのほか、行政事件訴訟法第43条の規定を適用することとされています。

第12項

第一項の規定による訴訟を提起した者が勝訴(一部勝訴を含む。)した場合において、弁護士、弁護士法人又は弁護士・外国法事務弁護士共同法人に報酬を支払うべきときは、当該普通地方公共団体に対し、その報酬額の範囲内で相当と認められる額の支払を請求することができる。

ざっくり口語訳(by ジチテン編集部)(第12項)

第1項の訴訟を起こして勝訴した人は、弁護士などに報酬を支払うときは、都道府県や市町村に相当と認められる額の支払を請求できます。

  • 住民訴訟(第1項)を起こした人が勝訴(一部勝訴を含みます)した場合に、弁護士や弁護士法人、弁護士・外国法事務弁護士共同法人に報酬を支払わなければならないときは、その都道府県や市町村に対し、その報酬額の範囲内で相当と認められる額の支払を請求できます。